鹿島研究室のご紹介

私が所属している数理論理学の研究室、鹿島研究室の紹介です。

研究分野

鹿島研究室のおもな研究分野は非古典論理です。 とくに、様相論理とその発展的な論理についての研究を行っています。 直近では、鹿島先生は様相 μ 計算、証明可能性論理についての研究成果を発表なさっています。 また、私が研究している Hybrid Logic も、様相論理がもとになった分野です。 加えて、計算理論の一分野であるラムダ計算の研究も行われています。

鹿島先生の研究成果については、 こちらのページ も参考にしてください。

研究室の活動

数理論理学は、その性質上個人あるいは少人数で研究をすることが多いです。 そのため、研究室で行うことは個人の作業が中心になります。 もちろん完全に独りぼっち、ということはなく、 先生と研究に関して相談・議論をする、論文の指導をいただく、ということができます。

研究室のメンバーでまとまって行う主要な活動は以下の 2 つです。

輪講

研究室内のメンバーで集まって、一冊の本をセクションごとに分けて読みます。 読む本の選定は、年度の初めにメンバーで話し合って決定します。 ある程度分量のある(ひとりで読み通すのが難しい)洋書が選定されることが多いです。

教科書の内容をただ紹介するだけではなく、教科書内で説明が不足している部分、 証明が省略されている部分などは、自ら補って説明します。 教科書に載っている知識だけでなく、発表を通して「定理を証明すること」の技法を学びます。

私が在籍していたうちに輪読を行った本をリストにまとめました。参考にしてください。

大岡山ロジックセミナー

最近の研究成果、あるいはその進捗を発表する会です。 現在はおおむね、 2 週間に 1 度程度行われています。 鹿島先生や学生のほか、研究室 OB の先生方や外部の方が発表することもあります。

特徴として、発表時間の上限が長い( 120 分程度)ことがあげられます。 持ち時間が潤沢にあるので、発表者は証明の仔細まで話すことができます。 また、質疑応答の時間も多いため、内容に関して深い議論をすることも可能です。


ここまでは鹿島研究室の事例を書いていますが、 「個人で研究しつつ、必要に応じて面談をする」「輪講やセミナーを開く」というスタイルは、 数理論理学を研究する研究室ならあまり変わらないのではないかと思います。

研究室に入りたい人へ

数学にあまり慣れていない、という方は、大学教養程度の集合論、および代数学を学習しておくことをおすすめします。 参考までに、私は集合論を 松坂和夫『集合・位相入門』 で、代数学を 雪江明彦『代数学』シリーズ で学習しました。

集合論、代数学の知識はもちろんですが、数学の本を読み、自身で手を動かす、という経験が大事です。 数理論理学においては、「定義から定理を証明する」という、数学の基礎ともいえる操作がこなせることが重要だからです。

また、計算機科学の基礎的な分野についても学習をしておくとよいと思います。 たとえば、オートマトン理論に代表される形式言語理論、計算可能性理論・計算量理論を含む計算論は、数理論理学と関連の深い分野です。 初等的なプログラミングに慣れておくのもよいでしょう。

上であげた数学・計算機科学について、鹿島研究室の場合には、大学院試験でこれらの知識を問われます。 東工大の院試で合格できるくらいに仕上げておけば、 研究生活において困ることはあまりないと思います。

もちろん、数理論理学の知識があるに越したことはありません。 独学で学んでみたいという方には、 鹿島亮『数理論理学』をおすすめします。 (こちらの記事 も参考にしてください)。


入りたい研究室がある方は、事前に教員に連絡を取ってお話をすることを強くお勧めします。 鹿島研究室にご興味のある方は、 こちらのページ にあるメールアドレスから、鹿島先生に連絡を取ってください。


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